ガス事業のシェア拡大という課題を解決するために不動産業に参入。経験値ゼロの異業種から、たった5年で収益化へ
「不動産業界の常識は、うちには通用しない。でも、自分たちのやり方を貫きながら、新しいビジネスを立ち上げることはできる。そう確信できたのは、物件王との出会いがあったからです」
異業種から不動産業に参入し、たった5年で成功を収めた企業がある。
経験ゼロからのスタートで、どう乗り越えたのか。
プロパンガスの供給を手掛ける企業の新規事業担当者として不動産業に飛び込んだ、すみたい地所の井手氏。事業を軌道に乗せるまでの道筋に迫った。
物件王との出会いのきっかけと、導入を決めた理由を教えてください。
きっかけは2018年か2019年頃のリフォーム産業フェアで、物件王の藤井社長の講演を聞いたことですね。
当時、親会社のプロパンガス事業で課題となっていたのが、簡易ガス供給エリアの顧客が代替わりするタイミングで都市ガスに切り替わってしまい、シェアが縮小傾向にあったことです。
そこで、自社で不動産部門を立ち上げて、物件の買取をしてシェアを守ろうと考えていました。ただ、ガス事業と不動産では販売スタイルが全く異なるので、どうしたものかと悩んでいた時期でもあったんです。
そんな中、藤井社長の「顧客優先でじっくり接客する」という講演内容にすごく共感したんです。不動産業というと、どうしてもゴリゴリの営業スタイルをイメージしてしまいますし、実際にそのような営業スタイルが一般的だと思います。このようなスタイルは、我々の営業スタイルと大きく異なっており、不動産事業を手掛けることは、一時は難しいのではないかと考えていました。
でも、『売って売って売りまくる』のではなく、私たちのような『お客様としっかり向き合う』タイプでも不動産事業をうまく軌道に乗せることができる可能性があることを知って、これなら自分たちのスタイルを変えずにやっていけるのではないかと感じました。
加えて、導入前に物件王のアドバイザーともお会いしたのですが、こちらの状況をしっかりヒアリングした上で、押し売り感のないアドバイスをしてくれて。全体的に物件王さんとの温度感がすごくマッチしたんです。
不動産のノウハウは全くなかったので、知見の提供にも期待していましたし、何より自社の大切にしている価値観を踏襲しながら不動産事業を展開できる、そう確信できたのが導入の決め手でしたね。
サービス契約後の変化や効果について教えてください。
物件王を利用してご案内した物件がプロパンガス利用だった場合、親会社への切り替えを提案するなどして、少しずつですがシェアの拡大に貢献できています。それと、当初から課題としていた新規エリア、具体的には相模原への進出も実現できました。
社内的な変化としては、立ち上げから5年が経過して、ようやく不動産仲介のノウハウが蓄積されてきたこと。最初の2年間はコロナ禍の影響もあって厳しい状況が続きましたが、3年目に黒字化を果たして、4年目の昨年は売上も飛躍的に伸びました。
こうした成果が出せているのは、物件王のサービスがあってこそだと思っています。
例えば、物件管理のシステムは毎日欠かさずチェックしているし、運用の悩み事は物件王のアドバイザーさんに相談に乗ってもらっています。弁護士さんがいるChatコミュニティがあるのですが、その中で他社の事例を共有してもらえるのも勉強になりますよね。
最近は営業管理機能の活用にも力を入れ始めました。物件情報をシステムに入力すると、リアルタイムでウェブサイトに反映されるのは本当に便利です。
それと、要望を出してから3週間程度で改修してもらえるスピード感の良さには助けられています。
以前は、物件住所を入力しても郵便番号は別途手入力が必要だったのですが、それを自動入力できるように改善いただいて。おかげで入力業務がグンと楽になりました。
その際も、物件王のエンジニアの方が直接説明してくれたので、コミュニケーションもスムーズでした。
今回、不動産売買・仲介という新規事業を立ち上げる中で、うまくいったと考えるポイントはありますか?
新規事業を立ち上げるのは、本当に大変でしたが、とても良いチャレンジになりました。これまでの経験を振り返ってみると、いくつか成功のカギになったポイントがあったように思います。
まず一つは、先ほどもお伝えしましたが、「自分たちの価値観を大切にすること」。不動産業界の常識には囚われずに、お客様を大切にするという私たちのスタイルを貫いたことが大きかった。物件王さんとの出会いで、同じ想いを持ったパートナーを見つけられたのも本当に幸運でしたね。
次に、「リソースを新規事業に集中させること」も重要です。立ち上げメンバーは、親会社の仕事からは完全に切り離して、新規事業に専念できる体制を作ったんです。そのくらい思い切った舵取りをしないと、なかなか新しいことにチャレンジできないと思います。
人員も、営業と事務の最低2人は必要ですが、欲をいうと、営業2名、事務1名がいれば万全だと思います。ただし、我々も営業のプロフェッショナルや事務の経験が長いメンバーではないメンバーで立ち上げてきた経緯もあるので、あくまで役割を決めて集中することが重要だと思います。
また、「現場に大きな裁量権を与えること」も重要な要素だと思います。親会社から決められたのは、「出店エリア」「地域」「社名」くらい。それ以外のことは全て自分たちに任せられ、何もない状態から決めていきました。トップダウンではなく、現場主導で動ける環境があったからこそ、スピーディーな改善サイクルを回せすこともできたんだと思います。
やはりスピード感は重要ですよね。立ち上げ当初は右も左も分からない状態からのスタートでしたが、物件王さんの手厚いサポートもあり、わずか5年で事業を軌道に乗せることができました。
最後に、「人材育成」の重要性は言うまでもありません。不動産業界の経験が浅くても、目標に向かって頑張れる「目がキラキラした人材」を採用し、一人一人の個性に合わせて育成していく。事業の成長は、人の成長と切っても切れないんです。
まとめると、新規事業で成功するためには、自社の価値観を守りながら、新規事業に経営資源を集中させ、現場に権限を委ねてスピーディーに動ける体制を作ること。そして何より、事業を支える人材を大切に育てていくこと。この辺りが本当に大事だと、身をもって感じましたね。
今後の事業展望と、物件王へのメッセージをお願いします。
今後は、3年以内を目処に、土地の大規模な買取からハウスメーカーへの建築依頼、そこへの親会社のプロパンガス供給という一連の事業サイクルを実現したいと考えています。
もちろん、黒字体質を堅持しながら、ガス事業と不動産事業の融合による新しい価値提供にもチャレンジしていきたい。そのためにも、親会社との連携をより強化していくつもりです。
物件王には本当にお世話になっています。現場の声がダイレクトに届くので、スピーディーな改善提案が行えるのは素晴らしい。Chatworkでのコミュニケーションを通じて、社内と物件王との情報共有もスムーズですしね。問い合わせ対応からシステム改修まで、ワンストップでカバーしてくれるサービス体制は、本当にありがたいの一言に尽きます。
同業他社の皆さんにも、物件王の導入はぜひおすすめしたい。
不動産事業への新規参入を検討中の企業様は、自社の価値観を大切にしながら物件王の仕組みを活用することで、スムーズな事業立ち上げができると思います。
人材面では、不動産の経験が浅くても、目標達成に向けて情熱を持って取り組める『目がキラキラした人材』を採用するのがポイントですね。一人一人の個性に合わせた育成を心掛けることも大切です。
物件王を導入したら、業務とシステムの一体化を意識して使い込むことが肝心だと思います。使えば使うほど、自社の業務最適化が自然と進んでいきますから。
遠慮せずに改善要望を伝えることも重要ですよ。柔軟に対応いただけるので、どんどん活用していくのがいいと思います。
今後とも物件王には、私たちのような後発の不動産会社に寄り添って、事業の成長を支援していってほしいですね。
担当者からのコメント
不動産事業のサイトオープン前にもかかわらず、ロールプレイング研修にご参加いただき、積極的に取り組んでくださったこと、またご相談いただいた内容を素直に受け止め、即座に実践してくださったことが、早期の事業部収益化につながったのだと思います。
責任者の井手さんをはじめ、スタッフの皆様のアットホームで温かい雰囲気や、おしゃれな事務所がとても印象的でした。
今後、さらに事業が拡大し、よりたくさんのお客様を幸せにして頂ける事と思います!
これからも全力でサポートさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
SV 永井