「建築受注のための不動産仲介」地元密着の工務店が挑んだ新たな活路

株式会社重信工務店

滋賀県

Webサイト: https://www.shigenobu-fudousan.com

事業内容: 新築

従業員数: 14名

代表取締役 伊藤 重信様

伊藤 重信様

はじめに

滋賀県湖南市に拠点を構える株式会社重信工務店。
地域に密着し、新築一戸建てを中心に事業を展開してきましたが、創業から数年後、受注の低迷という厳しい局面に立たされました。そんな中、新たな活路として選んだのが建築と連携した不動産仲介事業への参入。
物件王への加盟をきっかけに、全くの未経験から不動産仲介の世界に飛び込んだ同社 代表取締役の伊藤重信様に、加盟の経緯から地域での反響、そして建築受注への効果など、じっくりとお話を伺いました。

本インタビューのYoutube動画も配信しておりますので、そちらも是非ご覧ください。

物件王に加盟されて約4年ほど経ちますが、加盟のきっかけは何だったのでしょうか?

物件王に加盟する前の創業して4、5年目の頃、受注が落ち込んだ時期があり、何か新しい取り組みをしたいと考えていたんです。その時に不動産のFC(フランチャイズ)やVC(ボランタリーチェーン)など、色々な会社を検討しました。
最終的には、ビッグサイトの展示会で物件王さんのブースに立ち寄らせていただいたのがきっかけです。以前から物件王さんのことは気になっていたのですが、代表の藤井社長にお会いして「この人なら信じてついていける」と思い、不動産仲介業の経験はなかったのですが加盟を決めました。

様々な選択肢がある中で、物件王を選ばれた決め手は何でしたか?

大手FCのように、他社の看板で仕事をするのはあまり好きではなかったんです。VCで、かつ建築屋が主体で、そこに不動産がくっついてくるというスタンスの会社を探していました。

単に、不動産会社をやりたかった訳ではなく建築までサポートできる不動産仲介をしたかったので、物件王の「建築受注のための不動産仲介」というのは、目的にも合っていました。

自社の名前で、ブランディングを高めていきたいという想いが強かったのですね

会社がある滋賀県湖南市は私が生まれ育った町でもあり、私を知っている人もたくさんいます。
なので途中で社名を変えて、商売を変えたように見られるのは抵抗がありました。自分の名前も入っていますし、やはり自社の名前で勝負したいという思いが強かったですね。

不動産仲介を始められた当初、周囲の反応はいかがでしたか?

近隣の不動産業者さんに挨拶まわりに行った際、「地元の工務店が不動産屋をするのか」と言われたこともありました。その時はよく、「不動産屋にはなりません。あくまで建築するための不動産です」と説明していました。

周囲の不動産業者の方々に、工務店が仲介を行うことへの理解を得るには時間がかかりましたか?

そうですね。この業界では、建築で利益を得ているのに仲介手数料も取るのか、という考え方がまだあると感じます。おかげさまで、うちはそういった経験はまだありませんが、全国の加盟店さんからはそういった話を聞くこともあります。本来、仲介と建築は別のサービスであり、それぞれの対価をいただくのは当然だと考えています。

実際に不動産仲介の窓口を開設されて、業績に変化はありましたか?

正直、最初の2年間は受注どころか、集客が全くできず非常につらい時期でした。3年目になってようやく、「あの建築屋さんも不動産をやっているんだ」ということが地域に認知され始め、徐々に集客できるようになりました。

集客面で、何か変化を感じたことはありますか?

新築を建てたいお客様は、建物だけでなく、場所選びも非常に重要だと気づきました。
以前は、「建物という商品で集客すればいい」と考えていましたが、実際には家を探し始めたお客様は、まず不動産屋に行くことが多いです。
多くのお客様と話す中で、その行動パターンがよくわかりました。家を建てたいお客様の入り口に立つことの重要性を、この4年間で強く感じています。
建物よりも立地を重視する方が半数以上いらっしゃるという、まさにそれを実感しました。

川上の、土地を探し始めたばかりのお客様と接点を持てることは、自社建築に繋げる上で大きなメリットになっているのでしょうか?

はい。もちろん、土地だけを購入されて、建物は他社で建てられるお客様もいらっしゃいますが、それでも土地選びのお客様の3分の1程度は、最終的に弊社の建築を選んでいただいています。建築の集客に繋がっているという点で、本当に良かったと思っています。
もし、不動産仲介をしていなかったらどうなっていただろうかと考えると、怖さがあります。

担当者からのコメント

今回は、貴重なお話をいただきありがとうございました!
加盟店様が喜んでいらっしゃる姿を見ることができて、さらにこのようなお言葉をいただけるのは何より嬉しいです。
自分たちの利益を優先する不動産会社がまだまだ多い中、建築会社さんが不動産の窓口を持つことで、エンドユーザーはより安心して家探しができるようになるので、物件王という枠組みを超えて全国全ての建築会社さんが不動産業を始めた方が良いと思っています。
そうなれば、業界全体が大きく変わると強く信じています。

SV(スーパーバイザー) 前島