宅建業の免許、活用してますか?工務店が「買取再販」で成功するコツ

公開日:2025/02/14

はじめに


「いずれ不動産にも取り組もうと思って、宅建業の免許は持っている」

「宅建士の資格は持っているけれど、費用もかかるし宅建業免許を取得するかどうか迷っている・・・」

工務店を営む方の中には、このように考えて宅建業の免許を取ったけれど、実際には活かしきれておらず宝の持ち腐れとなってしまっている、という方も多いのではないでしょうか?

今、住宅市場では中古住宅の需要も伸びており既存住宅の活性化が進んでいます。

このような工務店の皆さまにとって、これは事業のチャンスと言えます。

それが『買取再販事業』です。

しかし、工務店がこれから買取再販へ参入、または強化して成功を収めるには、工務店独自の戦略が不可欠です。

そこで本記事では、買取再販事業で成功している工務店の秘密を具体的に解説します。

 

宅建業免許と宅建士の違いについて


不動産業界でよく耳にする「宅建士」と「宅建免許」。

どちらも「宅建」と略されるため混同されがちですが、実は全く異なるものです。

「宅建免許」は不動産業を開業するための許可証のようなもので、不動産の売買や賃貸の仲介を行うには、この免許が必須です。

一方、「宅建士」は不動産取引の専門家として認められた人のことで、不動産に関する専門知識を持ち、国家試験に合格した人だけが名乗ることができます。

不動産業を開業するには「宅建免許」に加え、必ず「宅建士」の資格を持つ人を雇う必要があります。つまり、「宅建士」は、免許取得の条件の一つでもあります。

このように、「宅建免許」と「宅建士」はそれぞれ異なる役割を持っています。

 

宅建業の免許をもつ工務店が「買取再販」を強化すべき理由


市場の変化と買取再販のチャンス


新築住宅の需要が頭打ちになる中で、中古住宅の価値が見直され、既存住宅の有効活用が重要視されています。特に、中古住宅市場は政府の後押しもあり、今後も拡大が見込まれます。

今、工務店が買取再販事業を強化することは新たな収益源を確保するチャンスです。

空き家問題の深刻化も、買取再販事業のニーズを高めるきっかけとなっています。

また、顧客のニーズも多様化しています。新築にこだわらず、リフォームやリノベーションをして自分好みの家にカスタマイズしたいというニーズが増えています。

買取再販事業はこのような市場の変化に対応できるビジネスモデルで、工務店にとっては会社を成長させるための有効な戦略です。

 

買取再販事業における工務店の強み


工務店は、地域の特性やそこに住む顧客のニーズを熟知している点が強みです。

これによってニーズに合わせた物件選定や、リフォーム・リノベーションを施すことができます。

また、長年培ってきた技術力やノウハウは高品質な建築として顧客からの信頼獲得に繋がり、さらに地域の特性を理解しているため、細かな要望にも柔軟に対応できます。

大手ハウスメーカーなどの企業と比べて、意思決定が早く、柔軟な対応ができることも工務店の大きなメリットです。

市場変化に合わせたスピーディな戦略の修正や、顧客の要望に合わせたサービスを提案できるため、大手とは違った部分で差をつけることができます。

また、地元の不動産情報を把握することができれば、顧客に合わせた物件の紹介を効率的に行うことも可能です。

 

買取再販事業成功のための具体的なステップ


物件の仕入れ


買取再販事業は仕入れが命です。

しかし、買取再販市場はすでに他社も参入しており、競争率は非常に高いと言えます。

さらに大手では、売主集めをするために長年莫大なコストをかけてブランディングを築き上げているため、工務店が一事業としてそこへ参入していくのは、レッドオーシャンに突っ込むようなもので非常にリスクがあります。

では、工務店が低リスクで効率よく売主を集めるにはどのようにしたらよいのか?

それはズバリ、自社で建築された「OB顧客」にアプローチをし、「売りたい」需要を掴むことです。具体的には、資産整理や住み替えなどがあります。

自社の建築OBへのアプローチは競合他社には入り込めず、売却サポートまで請け負うことで自社の専属・専任物件の獲得につながります。

そのため仕入れは、まずは建築OBからの「売り」を募ることが、工務店の買取再販事業にとって最も効率的と言えます。

なお、OB顧客へのアプローチは顧客の現状やニーズを丁寧にヒアリングし、ライフステージに合わせた提案で、強引な営業にならないように注意が必要です。

以下の資料では、工務店が買取再販を成功させるためのコツを解説しています。合わせてご覧ください。

買取再販の成功スキーム

 

再販の見極めと選定


建築OBから「売り」を募った後、その物件を再販につなげる方法は2つです。

1.買取する

2.媒介する

必ずしも買い取る必要はありません。価格や物件の条件が見合わない場合、買い取らずに媒介(仲介物件として自社で預かる)します。

ここで重要なのは、1. と 2. どちらを選択するか見極めることが大切です。

しかし、買取にするか媒介にするかを決めるには、エンドユーザー(買いたい人)にどのようなニーズがあるのか?という統計を取らなければ、判断ができません。

そこで効率的な方法が、「買い」を募ることです。

自社HPからの反響などをもとに、エンドユーザー(買いたい人)が、何を希望条件に物件を選んでいるのかを把握します。

ニーズが明確になれば、建築OBからの依頼に対して買取にすべきか、媒介にすべきかの判断ができるようになります。

また、「買い」のお客様を募ると実は住み替え案件が眠っていることもあります。

「住み替えたい」というニーズは「売りたい」でもあり、「買い」を募ることで結果的に「売り」の獲得につながります。

以下の資料でも工務店が買取再販を成功させるためのコツを解説していますので、ご覧ください。

買取再販の成功スキーム

 

買取再販の注意点と成功のポイント


大きな利益は狙わず、薄利&短スパンで回す


買取再販では、安く仕入れて高く売るのが基本です。しかし今では、競合他社が増えたことで安く仕入れることが困難になっています。

大きい利益を狙うことが難しいため、薄利&短スパンで回しましょう。

(例)
100〜200万円の利益+半年くらいのスパンで2〜3棟を回す

 

不人気の2,000万円より、人気の3,000万円を選ぶ


需要が多く、且つ手のかからない物件を選ぶのがおすすめです。

不人気の2,000万円よりも、売れやすい3,000万円の方がサイクルを回しやすいためです。※統計をもとに、自社で買う必要がない場合は、仲介に回しても問題ありません。

 

これらを踏まえたうえで、買取再販のポイントは以下のとおりです。

  • 薄利で良いので、人気エリア物件を選んで短スパンで回すことが大切

  • 半年程度のスパンであれば金利もさほど変わらない

  • 融資を受けて売れやすい物件を選ぶことは、むしろリスクヘッジになる


まずは、仕入れノウハウを身に付けることが大切です。

仕入れが安定したらリノベーションをして高値で売るフェーズへ移りましょう!

 

工務店の未来を切り開くために


今後の買取再販の可能性


買取再販事業は、工務店にとって今後ますます重要な事業となるでしょう。

空き家問題も深刻化しており、既存住宅の有効活用は社会的な課題となっています。

さらに顧客ニーズの多様化に対応するためも、この状況下は工務店にとっては追い風ともなるため、買取再販事業は企業を成長させるための有効な手段にもなります。

 

継続的な改善と技術革新


買取再販事業を成功させるためには、常に市場動向を把握し顧客ニーズの変化に対応しながら、事業戦略を柔軟に見直す必要があります。

買取再販事業は、参入や強化の壁がさほど高くないため、競争が激化する可能性もあります。そのため常に他社との差別化を図り、独自性を磨き続ける必要があります。
例えば、特定のエリアやターゲット層に特化した戦略をとったり、従業員の営業スキル教育にも力を入れ、会社全体の競争力を強化しましょう。

物件王では、お役立ち資料も配信していますので、是非参考にしてください。

買取再販の成功スキーム